5月22日(日本時間23日)にリスボンで行われた、ティレソーとヴォルフスブルクによるUEFA女子チャンピオンズリーグ決勝戦は、3-4でヴォルフスブルクの勝利で終わった。ヴォルフスブルクは昨季の優勝に続いて、これでチャンピオンズリーグ2連覇となった。
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前半の勢いはティレソーにあった。女子サッカー界のスター軍団たるティレソーが、個人技でヴォルフスブルクを圧倒する。28分の先制ゴールとなったマルタの得点は、ヴォルフスブルクのディフェンダー3人を抜いてのゴール。その直後の前半30分のボケーテのゴールは、アメリカ代表のプレスが、巧みなドリブルによるキープの末に上げたクロスが起点となった。
ティレソーは、センブラント、セガーあるいはダルクビストといった自国のスタープレイヤーが中盤から後方を支えつつ、前線でボケーテ、プレス、そしてマルタのような国際的なプレーヤーが、それぞれの個の力を活かして躍動した。
Marta celebrates putting @TyresoFFwomen in the lead over @VfL_Wolfsburg in the 28th minute #UWCLfinal pic.twitter.com/rp70V4w8ri
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しかし、前回チャンピオンであり女子ブンデスでも優勝争いをするほどのクラブであるヴォルフスブルクが、このまま2-0で試合を終わらせるはずなどなかった。後半から、徐々にヴォルフスブルクペースとなる。まず、後半2分に右サイドからのクロスにポップがヘディングで合わせて得点すると、その6分後にはミュラーがキーパーと一対一となったチャンスを逃さず同点に追いつく。試合はあっという間に振り出しに戻った。
だが、再びマルタが個人技で魅せる。56分、セットプレイでの混戦からボケーテが頭でマルタへボールを渡すと、ペナルティエリア内での絶妙な切り返しでヴォルフスブルクのDFふたりを交わしてシュート。ゴールキーパーも必至に飛びついたが、巻き気味に放った柔らかいシュートは、ゴールネットの右隅を揺らした。
これで、3-2でティレソーのリードとなったものの、この試合で後半より右サイドからの崩しを徹底してきたヴォルフスブルクの攻撃が、ますますティレソーゴールを脅かすようになっていった。
68分、後半からワーグナーに変わって途中出場したファイストが得点を決める。そして、80分には、ケスラーが右から相手のゴールポストすれすれのところまで駆け上がり、ミュラーが厳しい体勢ながらも何とか押し込み、これで逆転に成功した。なお、この80分のゴールにより、WCLの得点ランキングにおいて、ミュラーが通算10ゴールとなりプレスを1ゴール分上回ってトップとなった。
残り10分は、おおよそ互角でティレソーも何度かチャンスメイクをしたがゴールには至らず、そのまま試合終了のホイッスル。ヴォルフスブルクが4-3でティレソーを下し、昨年に引き継ぎヨーロッパチャンピオンとなった。なお、この日のプレイヤー・オブ・ザ・マッチには、決勝点のアシストを決めたヴォルフスブルクのキャプテン、ナディーン・ケスラーが選ばれた。
ティレソーは、財政難とその後の対応でのトラブルで、来シーズンにスウェーデンのリーグに参加する資格を失っており(現在は異議申し立ての協議中と見られている)、またマルタの契約が切れることからも、この決勝で見たようなドリームチームとしては一度見納めとなってしまう。マルタの移籍先は今も噂の的だが、ボケーテはNWSLのポートランドへ、プレスはNWSLのシカゴにこの後合流することが決まっている。
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