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FIFA要職 「人工芝で開催します。代替案は有りません」 -人工芝問題第3回-

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人工芝問題に少し動きがあった。

これまでの経過
  1. 女子ワールドカップカナダ大会の人工芝問題 (第一回あらすじ) 8月23日
  2. カナダ大会の人工芝問題 2~選手達が反対する理由、あるいは反対しない理由~ 9月8日

FIFAは火曜日から団体でカナダ大会の開催予定地を巡る視察ツアーを始めた。最初に訪れたのはオンタリオ州のオタワにあるTDプレイススタジアム。FIFAの派遣団は、カナダのクラブチーム、オタワ・レッドブラックスの練習する中、スタジアムに降り立って、人工芝を注意深く観察したという。設備なども含めて総合的に視察し終えたあと、Tatjana Haenni (FIFA大会課長補佐兼女子大会委員長※FIFA’s deputy director of the competitions and head of women’s competitions)が人工芝開催について意見を求められ、こうコメントした。

「決定が変更される予定は無い。人工芝開催がフェアであるかについては何とも言えないが、決まった事は決まったことだ」

 続いて、このHaenni氏(※写真上)のコメントと並んで、カナダサッカー協会会長であるピーター・モントポリ(※Peter Montopoli、下写真の左から2番目)氏のコメントも報じられている。彼は選手たちが求めている、FIFA・カナダサッカー協会との対話が行われる可能性はほとんど無いと述べたという。曰く、「対話ということに関して言えば、大会が人工芝の上でで行われることについては長い間そういう理解があったでしょう」と述べた。

 確かに、カナダ大会開催決定から、選手達が弁護士を立てて公式に反対声明を掲げるまでには、ある程度長い期間があった。モントポリ氏はここを選手側の弱点として突いている。ところで、モントポリは人工芝問題をさておいた上で、カナダ大会の成功を以下の様に大きく意気込んでいる「もし、私たちの目標である150万人の観客を集められれば、カナダでの単一スポーツにおける過去最大のスポーツイベントとなり、男子ワールドカップを除いた最大のFIFAの大会になる」(※参考として今年行われたブラジルワールドカップの動員数は、FIFAによると、約300万人)。

 しかし、FIFAにも人工芝開催と決めたからには最善を尽くす姿勢が見られる。視察団は各スタジアムのグラウンドの表面を調査するために、専門の独立コンサルタントを雇って開催予定地を巡ることになっているのだが、この人物は、モントポリ氏によれば、2007年のU-20男子ワールドカップカナダ大会の際にも調査に当たった経験のある者だと言う。さらに、考えを変えるつもりが無いのにも関わらず、なぜわざわざコンサルタントを雇ったのかと聞かれたHaenni氏は「人工芝のクオリティは多くの人が関心を持っているからです。人工芝と言えど様々です。古いものも新しいものもある。いくつかテストをすることによって、それらの質を分類できます。どういう芝が良い芝なのかを知る助けになります」と答えた。人工芝で開催するからにはできるだけ良い芝で、という姿勢は一応見せている。

 ちなみに、オタワは12月6日に組み合わせ抽選会が行われる場所である。


参照記事


筆者より

並行するようにして、選手達は弁護士団と公式に裁判を起こすことになったようです(参照: Equalizer -“Players officially file lawsuit against FIFA, CSA over artificial turf at 2015 Women’s World Cup”)。7月の時点では、弁護士を立ててFIFAとの公式な会談を要求するという、選手からの「警告」段階に留まっていましたが、その時に「法的手段も辞さない考え」であったのをついに実行した形に成ります。

※1. FIFAのHaenni氏は「代替案は無い」と言っていますが、実は1つ提案されているものがあって、それが本来第3回で扱う予定の内容でした。これは持ち越しあるいはボツになります。※2. 訳の部分は必ずしも厳密になっていない場合がありますので、ご了承ください。